「慰謝料の増額事由」に関するご質問
Question
慰謝料の増額事由を教えてください。
Answer
被害者側の事情としては、一家の支柱であり多数の被扶養者がいた場合や自賠責の後遺障害等級に該当するも逸失利益の評価が難しい場合などが増額事由となりえます。
加害者側の事情としては、加害者に飲酒運転など重過失違反がある場合や証拠隠滅行為を行うなど、著しく不誠実な態度がある場合などが増額事由となりえます。
■交通事故案件・慰謝料の増額事由についての実務上ポイントコーナー■
弁護士法人ALG&Associates東京オフィスで交通事故事業部を統括している代表社員弁護士金﨑浩之が、交通事故による後遺障害慰謝料(慰謝料の増額事由)について注意すべき実務上のポイントをお伝えします。
慰謝料額の認定は、裁判官の裁量に委ねられており、精神的苦痛を慰謝する機能の他に、財産的損害を補完する機能も有していると言われています。
したがって、多数の被扶養者がいたため扶養的な側面を考慮すべき場合や歯科補綴など逸失利益の算定が難しい場合に慰謝料の増額事由となりえます。
また、加害者が不合理な否認を繰り返す等、加害者の著しく不誠実な態度も増額事由になると言われていますが、この点については、慰謝料も事故時に発生するため、事故後の加害者の行動は慰謝料の増額事由として考慮すべきでないという考え方もありえます。
どういった場合に慰謝料の増額が認められているか、いくつか裁判所の判断をご紹介しておきます。
- 東京地判H15.7.24
- 常習的な飲酒運転をしていたトラックに追突され炎上し、両親の目の前で3歳と1歳の女児が焼死したという事案で、被害者それぞれに3400万円の死亡慰謝料が認められています。
- (子供の死亡慰謝料の目安が2000万円~2200万円とすると相当増額されています。)
- 福岡高那覇支判H23.11.8
- 交通事故で被害者が併合4級の後遺障害を負った事故で、被害者の資格取得に多大な影響を与えたこと、加害者が事故態様について事実に反する主張をし責任回避する態度に終始したことが考慮され、後遺障害慰謝料2000万円が認められました。
- (後遺障害等級4級の後遺障害慰謝料は1670万円(赤い本)であることから、330万円の増額がされたといえます。)
弁護士法人ALG&Associates交通事故事業部に属する弁護士は、交通事故直後から後遺障害等級申請、示談までのどの段階においても的確なアドバイスができるよう日々、多数かつ多様な事件を通して研鑽を積み、専門性を高めています。
弁護士法人ALG&Associates交通事故事業部の弁護士に、交通事故直後でもお気軽にご相談ください。