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裁判例:【最高裁 昭和39年9月25日判決】

裁判例 【最高裁 昭和39年9月25日判決】

No.21

加害者に対する損害賠償において、交通事故で被害者が死亡したことにより支払われた生命保険金を控除しないとした事案

【事案の概要】

交通事故で亡くなった被害者の両親が、相続によって被害者の損害賠償請求権を承継し、加害者に対して損害賠償を請求したところ、両親が生命保険金を受け取っていたことから、賠償額から受け取った生命保険金額を控除すべきではないかといった点が問題となった事案です。

裁判所は、「生命保険契約に基づいて給付される保険金は、すでに払い込んだ保険料の対価の性質を有し、もともと不法行為の原因と関係なく支払わるべきものであるから、たまたま本件事故のように不法行為により被保険者が死亡したためにその相続人たる被上告人両名に保険金の給付がされたとしても、これを不法行為による損害賠償額から控除すべきいわれはないと解するのが相当である」として控除しなくてもよいとしました。

【判決のポイント】

一般的に、交通事故を含む不法行為の被害者が、損害を被った原因と同一の原因によって利益を受けた場合、公平の見地から、賠償額からその利益額を差し引くこととされています。

そこで、生命保険金の場合にも同様に賠償額から控除されるのではないかが問題となります。

この点について、裁判所は上記のように考えており、感覚的にも、被害者が自ら保険料を支払ってきた結果として支払われる保険金のために、賠償額が減少することは納得することは難しいでしょう。

ただ、人身傷害保険等、「保険代位」という制度により、支払われた保険金額が賠償額から差し引かれることもあるので、注意が必要です。

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