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裁判例:【京都地裁平成14年6月6日】

裁判例 【京都地裁平成14年6月6日】

No.31

交通事故により痴呆症がさらに進行した被害者の後遺症逸失利益を認めた事例

【事案の概要】

老年期性の痴呆症の影響で深夜に国道を徘徊していた老女(症状固定時85歳)が走行中の普通乗用自動車にはねられたことにより痴呆症がさらに進行した後遺障害(後遺障害等級1級3号「神経系統又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」)が残存した事案です。

裁判所は、交通事故前の老女の老年期性の痴呆症を既存障害(9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」)としたうえ、交通事故前には老女が掃除や買い物、食事の用意等、一定の範囲での家事労働を行っていたことから賃金センサス(女性学歴計65歳以上)の80%にあたる235万800円を基礎収入額と算定し、労働能力逸失利益率を1級と9級との差である65%として後遺症逸失利益を認めました。

【判決のポイント】

一般に、高齢者が被害者となる交通事故における損害の算定においては、後遺障害逸失利益が認定されるためには就労の蓋然性があったといえる事情が必要とされますが、被害者が老年性の痴呆症を患う老年者であっても一定の家事労働が行っていたことを前提に後遺障害逸失利益を認めた点にこの裁判例のポインとがあると考えられます。

保険会社との交渉などでは、保険会社側から被害者が高齢であり現実に仕事をしていないことを理由に後遺障害逸失利益を支払わないとの主張がされることがありますのでそのようなときには是非、弁護士にご相談ください。

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