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交通事故の過失割合Q&A:停車中の貨物車に衝突してしまった

停車中の貨物車に衝突してしまった場合の過失割合

Question

信号のない交差点を直進走行したところ、交差点内にはみ出す形で展開されていた貨物自動車のパワーゲート(荷降ろし昇降台)に衝突しました。相手方は、停車中だったことを理由にこちらの一方的過失を主張していますが、争う余地はありますか。

Answer

一般的に駐停車車両との事故は、走行車側の責任とされるケースが大半でしょう。しかし、過失割合とは、事故原因を公平に責任分担するための法理であり、具体的な事故状況等から、両当事者のいずれの行為に対し事故の作出原因を帰責すべきものか、という観点から実質的に判断されるものです。

本設問の停車車両は、交差点内にはみ出す形で荷台を展開していたとのことですが、道交法47条は「貨物の積卸しのため停車するときはできるだけ道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」(同条1項)と規定しています。
交差点内にはみ出す形で荷台を展開すれば、他の交通の妨げになるでしょうから、相手方の停車態様は道交法上も違法なものであったと考えられます。

このように、相手方の駐停車の態様に明らかな過失のあるような場合には、事故原因の多くは相手方の過失にあるとの判断となることも十分考えられるところです。

もっとも、直進車としても、前方不注視の過失は避けがたいところでしょうから、相手方の一方的過失との判断を勝ち取ることまでは困難でしょう。

■過失割合についての実務上ポイントコーナー■

設問に関連する裁判例を紹介しておきます。

(駐車車両が)駐車していたのは原則として駐停車することが禁止…部分であり、そのような場所でパワーゲートを交差点内に展開した状態で駐車していたという駐車態様もあわせ考慮すれば、本件事故の主要な原因は(駐車車両)の不適切な駐車態様にあるというべき

東京地裁H23.4.20判決要旨

上記裁判例は、走行車両運転者の過失につき、駐車車両の存在自体は認識していながら、パワーゲートの展開を視認していなかった点に前方不注視があるとも指摘しています。

その上で、パワーゲートの形状が薄く、その視認性が低いこと、夜間にもかかわらず、駐車車両が尾灯や庫内灯などを点灯させるなど、パワーゲートの視認性を高める方策を何ら行っていなかったことを、走行車両運転者の前方不注視の程度を重く評価すべきでない事情として認定しています。

その結果として、上記裁判例では、走行車両20、駐車車両80の過失割合が認定されています。

このように、実務では具体的な事故の状況等を実質的かつ総合的に考慮した上で過失割合が認定されています。

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