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交通事故の過失割合Q&A:自転車の赤信号無視による出会い頭事故の場合

自転車の赤信号無視による出会い頭事故の過失割合

Question

自動車で夜間幹線道路を青信号に従って時速60km(法定速度内)で直進進行していたところ、交差道路左方から、赤信号を無視した自転車が直進(横断歩道・自転車横断帯でない箇所を走行)してきました。

急ブレーキを踏んだものの衝突してしまいました。青信号に従っていた私にも過失があるのでしょうか。また、自転車が右側通行していたことは考慮されないのでしょうか?

Answer

信号付交差点における青信号側四輪自動車、赤信号側自転車の事故の基本過失割合は、前者が20、後者が80とされています。

赤信号無視は重大な交通法規違反であることから、自動車同士や自動車と二輪車の場合では、赤信号を無視した側のヒャクゼロとされています。

自転車は自動車との比較において著しい交通弱者であること等の理由により、青信号に従っていた自動車の側にも過失が認定される傾向にあるようです。

過失割合の修正要素として主なものとしては、夜間の事故の場合や自転車が横断歩道や自転車横断帯を走行していたこと等があげられます。

信号付交差点の場合、自転車の右側通行は基本過失割合にて考慮済みとされているため、この点は修正要素とならないでしょう(別冊判例タイムズNo.38、民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準、391頁参照)。

設問の場合、夜間の事故であることが自転車側の過失を5程度加算する修正要素となる可能性はありますが、自動車側にも一定程度の過失が認定されることは避けがたいでしょう。

■過失割合についての実務上ポイントコーナー■

自動車と自転車の事故において、自転車側の過失が低く認定される理由については、自転車は免許なしに運転可能であるため、交通法規を熟知しない児童等も運転することの他、自転車の速度は二輪自動車等と比較して遅いことから、事故発生の危険が少ないこと等、自転車の特色を考慮した結果と説明されます。

そのため、自転車の速度によっては、小走りの歩行者や自動二輪車と同視できる場合もあり、歩行者と自動車、二輪車と自動車の基本過失割合を参考に過失割合を検討することもありえます(以上、別冊判例タイムズNo.38、民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準、383頁参照)。

夜間の事故であることが自転車側の過失の加算要素となるのは、自動車が灯火点灯義務により、前照灯を点灯していることが前提となっています。

この場合、自転車からは自動車の存在を発見しやすいのに対し、自動車からは自転車の発見が必ずしも容易でないためと説明されます(別冊判例タイムズNo.38、民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準、388頁参照)。

他方、道路照明が十分であり、明るい道路であれば、過失の加算要素とされない可能性もあります。

参考となる裁判例を挙げておきます。

事故当時、(自転車)は無灯火であったが、反面本件事故現場交差点は幹線道路であり道路照明は十分なされていて明るかったことを総合勘案すると、原告の過失は80%である。

大阪地裁H17.11.30判決要旨

上記裁判例では、自転車横断帯のある道路にもかかわらず自転車が道路中央を走行していたことや、右方から赤信号を無視して横断してきた自転車に対し、対向車線側の自動車が急ブレーキにより回避できていたことや、急ブレーキを踏ませた後であるにもかかわらずそのまま赤信号無視を続けて横断してきたことなども認定されています。

上記過失割合はこれら認定事実の総合考慮の結果であるため、一概に明るければよいと即断することはできませんが、少なくとも裁判所が考慮要素の一つとしていたことは看取できます。

このように、右折車両と転回車両では、要求される注意義務の内容が異なっており、それが過失割合の配分の違いにつながっているのです。

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