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交通事故の過失割合Q&A:丁字路交差点で右折した際に自動車と衝突

丁字路交差点で右折した際に自動車と衝突した場合の過失割合

Question

信号機がなく、丁字路交差点(優先道路でない)の一時停止線のある突き当り路側で一時停止してから右折したのですが、右方から直進してきた自動車と衝突しました。

私も右方を全く確認せず、曲がった落ち度はあるのでしょうが、きちんと一時停止をしたのだから、どう考えても相手の前方不注意か速度違反が原因だと思います。しかし、保険会社からは、私が85、相手が15の過失割合だと言われており、納得いきません。

Answer

丁字路交差点における、一時停止規制のある突き当り路側右折車と右方直進車の事故の基本過失割合は、前者が85、後者が15です。

もっとも、この基本過失割合は、一時停止規制のある側がその義務を怠った場合を前提としたものです(別冊判例タイムズ38号民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂5版、274頁参照)。
したがって、同車が一時停止していた場合、相手方車両の過失を15程度加算修正する要素とされています。

もっとも、単に一時停止したというだけで、左右の安全確認をしていないというのでは、一時停止した意味がありません。

そのため、裁判例でも、一時停止はしたが、右方等に注意を払っていないような場合の過失割合は、同車側に厳しい判断が下される傾向にあります。

裁判例でも、

標識にしたがって一時停止させているが、その後、交差道路である東西道路の右側にはほとんど注意を払うことなく、漫然と自車を本件交差点内に進入させ、本件事故発生の寸前まで原告車両を認識していない。

そして、一時停止の標識は、それ自体が目的ではなく、交差道路の安全を確認する一手段にすぎないから、自車を一時停止させた後、漫然と本件交差点内に進入した被告の過失はきわめて重大であるといわざるをえない

神戸地裁H8.11.28判決

と判示し、一時停止規制のある交差道路側右折車が85、相手方直進車両が15という、基本過失割合どおりの判断を下したものがあります。

また、一時停止もせず、右方等も確認しなかった事案で、一時停止規制のある突き当り路側右折車の一方的過失と認定された裁判例もあります(大阪地裁平成9.6.27判決)。

もっともこの裁判例では、相手方直進車両が徐行していたという事情もあり、この点も過失割合の判断に影響しているものと考えられます。

設問に挙げられた事実関係だけを基に考えると、相手方保険会社の主張する過失割合を争うのは厳しいと言わざるを得ません。

しかし、道路の見通し等の具体的状況、衝突位置やその損傷の程度、その他相手方運転者の過失を基礎づける事情次第では、争う余地があるかもしれません。

■過失割合についての実務上ポイントコーナー■

丁字路交差点特有の規制があるというわけではありませんが、通常の交差点の場合とは基準が異なる場合があります。

例えば、信号機による交通整理の行われていない交差点で、同幅員、一時停止規制なく、優先道路でない場合の、直進車と左方交差道路からの右折車の事故の基本過失割合は、前者40、後者60であるのに対し、丁字路の直線道路側直進車と突き当り路側右折車の事故の基本過失割合は、前者が30、後者が70です。

また、設問は丁字路交差点の事例ですが、他にもY字路や5叉路以上の複雑な交差点も存在します。

このような変形交差点は、類型化が困難であるため、現状、基本過失割合として基準化されるには至っていないようです(別冊判例タイムズ38号民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂5版、272頁参照)。

したがって、変形交差点については、類似の事故態様について基準のある場合はそれを参照するなど、それぞれ個別に判断せざるを得ないでしょう。

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