減収が生じていない場合でも休業損害は請求できますか?

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減収が生じていない場合の休業損害に関するご質問

減収が生じていない場合の休業損害に関するご質問

Question

私は個人で建築工事業を営んでおりますが、事故による傷病のため休業することになったため、その分妻や従業員に頑張って働いてもらいました。

その結果、事故前の所得に比べ事故後の所得が増加していました。この場合、休業損害は請求できないのでしょうか?

Answer

個人事業主の休業損害も、現実の収入減が認められることが原則です。このため、事故前と比べて減収がない(横ばい又は増収している)場合は、休業が発生しないとも考えられます。

もっとも、個人事業の場合、被害者本人の労働能力は喪失・減少していても、被害者の親族や従業員による貢献や、事故前の仕事の受注状況、営業時間の拡大など、交通事故とは別の要因によって収入の維持・増加が図られることがあります。

裁判例上、このような場合に、減収が認められないからといって一切休業損害を否定するのではなく、一定の範囲で休業損害の発生を認めるものもあります。

■交通事故・事業所得者の休業損害の裁判例コーナー■

男性建築工事代表者につき、事故前の収入より事故後の収入が増加しているが、その原因は被害者の事業を手伝っていた被害者の妻の協力によるところが大きく、被害者の所得が減少していないことをもって直ちに休業損害が生じなかったとするのは相当でないとして、同世代の男性労働者の平均年収を基礎として、入院中は100%、その後の1年間は50%、その後症状固定まで133日間は20%の限度で休業損害を認めた。

大阪地裁平成9年3月25日判決

43歳男性不動産鑑定士(14級)につき、事故後に所得が増加しているが、事故による受傷が原因で、定期的に発注を受ける仕事を止めてもらった他、新件を受けるのを控え、仕事量を増やすことができないまま、事故前に受注した仕事をしていたことを考慮し、事故前年の所得を基礎に、症状固定まで202日間、平均2割労働能力を喪失したとして、休業損害として約182万円を認めた。

東京地裁平成18年10月30日判決

53歳男性歯科医師につき、事故前より事故後の所得の方が増加しているが、その原因は、歯科診療への影響を最小限にするため、休日や休診日、診療時間外に通院するなどの努力の結果であり、交通事故による傷害が被害者の労働能力に影響を及ぼしたことは否定できないとして、事故前年分の所得を基礎として、通院実日数につき、各半日分を休業損害として認めた。

高松地裁平成23年6月1日判決

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