「所得補償保険」に関するご質問
Question
所得補償保険からの保険金は損害賠償額から控除されますか?
Answer
控除されます。
最高裁は、所得補償保険について、被保険者の傷害又は疾病そのものではなく、被保険者の傷害又は疾病のために発生した就業不能という保険事故により被った実際の損害を保険証書の金額を限度として填補することを目的とした損害保険の一種というべきであり、被保険者が第三者の不法行為によって傷害を被り就業不能となった場合において、所得補償保険金を支払った保険者はその支払った保険金の限度において被保険者が第三者に対して有する休業損害の賠償請求権を取得する結果、被保険者は保険者から支払いを受けた保険金の限度で右損害賠償請求権を喪失するものと解するのが相当であるとして控除することを認めました(最判平成元念年1月19日)。
■交通事故案件・所得補償保険の実務上ポイントコーナー■
所得補償保険は被害者が負担した保険料の対価であることからすると、生命保険の場合と同じです。すると、所得補償保険についても損益相殺を認めるべきではないとも考えられます。
生命保険との大きな違いは、定額給付となっているか否かです。損害額を個別に算定し損害額に応じて保険金が給付される場合には損害の填補という性格が強くなるといえるでしょう。しかも、保険者の代位取得が認められているか否かも損益相殺を認めるか否かの大きな要素になります。
代位取得が認められれば、そもそも被害者が損害賠償請求権を失うと考えることができるからです。
弁護士法人ALG&Associates交通事故事業部に属する弁護士は、交通事故直後から後遺障害等級申請、示談までのどの段階においても的確なアドバイスができるよう日々、多数かつ多様な事件を通して研鑽を積み、専門性を高めています。
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